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シミュレーションを会社や学校で行うためには

はじめに

本演習の続きを,会社や学校に帰って行うことができるように,電卓のGUIを構築するPLIのソースならびに,コンパイル済のライブラリを配布する.ここでは,シミュレータの情報やインストールの方法を記載する.なお,講習会の資料, PLIのソース等は, http://www-lab13.kuee.kyoto-u.ac.jp/~kobayasi/refreshよりダウンロード可能である.

シミュレータ

Verilogシミュレータで,今回使っているsigned拡張を実装しているものとして,次のものがあげられる.

Verilg-XL, NC-verilog
Cadence社: Solaris, HP-UX, Windows
VCS
Synopsys社: Solaris, HP-UX, Windows, Linux
modelsim
Mentor Graphics社: Solaris, HP-UX, Windows, Linux
GPL Cver
Antrim Design Systems社

すべてPLIに対応しているので,上記のシミュレータのライセンスを持っていれば,シミュレーション可能である.特に, GPL Cverは, GPLに従って配布されているVerilog Simulatorである. Verilog 2001もほとんどサポートしており,お勧めのシミュレータである.

以下では,このうち, WindowsのCygwin上にインストールしたGPL Cverについて,入手の方法と電卓用PLIのインストールの方法を述べる.

また, Solaris, Linuxで動くVerilog-XLシミュレータでの電卓用PLIのインストール方法についても触れる.

Cver on Cygwin

Cygwinのインストール

  1. cygwinをインストールする. www.cygwin.comにアクセスし, "Install or update now!"をクリックする.
  2. Select Packagesまで進んだら, Devel内の, gccとmakeをSkipから, Installに変更する.
  3. 最後までインストールを進める

GPL Cverのインストール

  1. GPL Cverのホームページより,gplcver-2.11a.src.tar.bz2をダウンロードする.
  2. cygwin上で展開する.
    $ tar xfj gplcver-2.11a.src.tar.bz2
    
  3. gplcver-2.11a.src/srcディレクトリに移り, makeを実行する.
    $ cd gplcver-2.11a.src/src
    $ make -f makefile.cygwin 
    
  4. objsディレクトリに移り, PLI版のcverをコンパイルする.
    $ cd ../objs
    $ make -f makefile.dll dll exe
    
  5. 動くかどうかテストするが,配布されているmakefileに不具合があるので,これと置き換える.
    $ cd ../tests_and_examples/examples.vpi/
    # makefile.cygwinを, 上記のものと置き換える
    $ make -f makefile.cygwin  dll run
    # うまく行くと最後に下記の通り表示される. 
        tmp_channel
    

GTKのインストール

次に, Cygwinで動作するGTKをインストールする.

  1. こちらより,最新のGtk+ Win32 Development Environmentをインストールする.インストール先は, C:\cygwin\GTKとする.
  2. 正常にインストールされたか確認するために, Makefile, helloworld.cをダウンロードする.
  3. cygwin上でmakeを行なう
    # Makefile, helloworld.cをダウンロードしたディレクトリ内に移動
    $ make
    $ ./helloworld.exe
    # windows上に, hello worldと表示されれば正常
    

PLIライブラリのインストール

  1. gtkcalc_cver.tgzをダウンロードする
  2. gplcver-2.11a.src.tar.bz2を展開したのと同じディレクトリに置く.
  3. 展開する.
    # 必ず, gplcver-2.11a.src.tar.bz2を展開したのと同じディレクトリに置くこと
    $ tar xfz gtkcalc_cver.tgz
    
  4. すでにコンパイルされているので,そのまま動かすことができる
    $ cd gtkcalc
    $ ./gtksim.sh
    
  5. うまく行かない場合は,再コンパイルを行なう
    $ make clean
    $ make dll
    $ ./gtksim.sh
    

Verilog-XL on Solaris

GTK+他のインストール

実行に必要なライブラリをまとめたファイルを作成した.gtkcalc/gtklib.tgzをダウンロードして,適当なところで展開する.なお,ソースからインストールしたい場合は, http://www.gimp.orgより,ダウンロードすることができる.

ライブラリのインストール

gtkcalc/solaris/libvpi.soをダウンロードする.

実行シェルスクリプト

gtkcalc/solaris/gtksim.shをダウンロードして,

CALCLIB=
GTKLIB=

のCALCLIB=のあとに, libvpi.soを置いたディレクトリ, GTKLIB=のあとにGTKのライブラリを置いたディレクトリを指定する. gtksim.shをパスの通ったディレクトリに移して,

chmod +x gtksim.sh

とすれば良い.

Verilog-XL on Linux

Linuxでは,標準またはオプションで, GTK+がインストールされていることが多いので,ここでは, GTK+はすでにインストールされているものとする.下記で,配布するlibvpi.soは,

ライブラリのインストール

gtkcalc/linux/libvpi.soをダウンロードする.

実行シェルスクリプト

gtkcalc/linux/gtksim.shをダウンロードして,

CALCLIB=

のCALCLIB=のあとに, libvpi.soを置いたディレクトリを指定する. gtksim.shをパスの通ったディレクトリに移して,

chmod +x gtksim.sh

とすれば良い.

PLIファイルのソース

使用したPLIファイルのソースはgtkcalc/gtkcalc.tgzです.